先日、依頼されてもいない作品を書き、
それを手製本にしている記事を書いた。
その後どのような展開を辿ったのかお伝えします。
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クリキンディのストーリーは
南米の先住民に伝承された物語。
(その続きをウタマロが書いたわけです)
私はストーリーの変遷ごとに紙を選び、
シンプルに手彩色を入れた。
具体的な絵を入れ込み過ぎないことは、
読者自身が想像できる余地をつくる。
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ところで日本には、
南米の森林農法で栽培されているコーヒーを
20年前から輸入し、
フェアトレードの基礎から確立した
「ウインドファーム」さんという会社がある。
コーヒーの国際価格が下落し、
生産者の生活が危機に陥った時、
中村隆市さんは現地の人と森を守る為、
「契約を交わした生産者のオーガニックな豆を
適正価格で全て買い取る」
という大きな決断に出た。
大きな勇気がいったと思う。
最初の5年は倉庫が在庫の山。
中村さんの努力で森と共存し農薬を使わないコーヒーは
徐々に日本で受け入れられた。
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私が物語を発信した後、
このウインドファームさんに関連のある方から、
横浜・戸塚に素晴らしいカフェができ、
中村さんやコーヒー栽培の現地の人を
お招きする企画があると知らせを受けた。
カフェオープンは10月11日。
私が物語を書いて発信したのは10月21日。
奇妙に近い誕生日だった。
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カフェゆっくり堂
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特殊功法で建てられた心地の良さ。
店長のまゆみさんと杏子さん
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ベジランチをしながら・・・
数種類のコーヒーを頂きながら・・・
エクアドルとタイの
森林農法コーヒー生産者の方から話を聞いた。
エクアドルのフランクリンさん。(右)
通訳はエクアドルに住む日本人女性の和田さん。
彼女自身も「クリキンディ」という農園を運営。
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タイのスウェさん。(右)
こちらスウェさんのコーヒー。
現地の共通課題はこの2点。
外国の大企業による土地買収。
企業優位な法律の制定。
買収された土地の行く末は大抵同じ。
単一作物栽培・鉱山開発。
太古の森の破壊と、そこに生きる民の暮らしの破壊。
厳しい現状をリアルに聞いた。
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そして会の途中で、
「朗読してもらえますか?」と
中村さんから突如依頼された。
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音読練習もしていなかったけれど、
皆の魂に届くことを祈りながら朗読した。
物語はファンタジーだが、
魂レベルへダイレクトに届いてゆく性質があり、
受け手の魂を鼓舞できる。
魂は「何が真実か」すでに知っている。
たとえフィクションであっても「これが本当だ!」と感じる。
クリキンディの続き物語は、
私たちが秘めている可能性を感じてもらえたと思う。
物語は頭脳的限界を超えるパワーを与えられるから。
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今回の会は結果的に
現地の話が理性にアプローチし、
物語が感性にアプローチするスタイルになった。
この両立があることにより、
人は課題を認めながらもそれに屈せず、
自らの可能性を見失わず、
望ましい世界に視線を向けることができると思う。
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この手製本は「ゆっくり堂」にプレゼントさせて頂いた。
このカフェに来てゆっくりコーヒーを飲む、
私の見知らぬ人たちに読んで頂くために。
当日朝9時にギリギリ完成した本でした。
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「アーチストは依頼者がいて
対価が決まってから作品を創るものだ、そういうものだ」
・・・と、
とある作家から言われたことがある。
きっとその作家の依頼者は三次元の住人なのだろう。
私の依頼者は物質体がなく、
直接の対価提示はない。
だけど広い意味で惑星に対する仕事をしていることになる。
私の魂が私に望んでいることは、全体性への貢献。
対価の有無はともかく、そういう道らしい。
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帰り道、金色の雨に包まれた。
とても清々しい夜だった。
それではまた。
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カフェゆっくり堂さん情報
ウインドファームさんのコーヒー情報