izumiutamaro’s blog

泉ウタマロの新しいブログです。よろしくお願い申し上げます。

十和田湖に残る物語「赤神と黒神」と、私を貫く強い想い。

 

 

 

 

こんにちわ。

昨日、東北にある「十和田湖」を訪れました。

 

 

 

 

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この湖は、私が地上に降りて数年後、

とある物語を読み、以来記憶の片隅にあった物語。

 

 

 

 

それでも舞台が十和田湖だったと完全に理解したのは、

つい最近のことです。

 

 

 

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今日はこの物語と、

物語を読んだ幼い私の「憤りポイント」が、

今の私に通じているため、

 

考察を深めてみようと思います。

 

 

 

*******

 

 

 【赤神と黒神

 

 

 

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美しい山に囲まれた湖に、

女神がいた。

 

 

 


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女神は歌を歌いつつ、

はたをおって暮らしていた。

 

 

 

 


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ところで秋田の男鹿半島(おが半島)に、

鹿の群れを率いた赤神が住んでいた。

 

 

 

 

彼は女神の美しい声を聞きつけ、

はるばる女神を探しに来た。

 

 

 

 


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赤神は一目で女神を好きになり、

贈物を持って度々訪れるようになった。

 

 

 

 


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ところで、

青森の八甲田を越えた龍飛(たっぴ)に、

黒神が住んでいた。

 

 

 

彼も女神の歌声を聞きつけ、

十和田湖にやってくる。

 

 

 

黒神も女神に魅了され、

贈物を携え、度々訪れた。

 

 

 


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当然、赤神も、黒神も、

女神を妻にしようとした。

 

 

しかし、女神はどちらを夫にすればいいのか、

選べなかった。

 

 

 

 


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そうこうしているうちに、

赤神と黒神は戦いを始めた。

 

 

 

赤神は鹿の群れを率い、

黒神は龍と嵐を率いた。

 

 

 

他のたくさんの神々も、

二手に分かれて、その戦いを見つめた。

 

 

 


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・・・やがて、

赤神は燦々たる痛手を受け、

男鹿半島へ逃げてゆくことになる。

 

  


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勝った黒神は、

女神を迎えるため、

悠々と十和田湖へやって来た。

 

 

 

 

ところが女神の姿はなかった。

「負けた赤神がかわいそうだ」と言って、

(本文では”かわいい”と言って)

 

男鹿半島へ行ってしまったのだ。

 

 

 

 


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黒神は落胆とともに、

龍飛へ帰り、大きな大きなため息をつく。

 

 

そのため息で大地が裂け、

海が流れ込み、津軽海峡ができたというお話。

 

 

 

 

秋田に受け継がれていた民話が

書籍化された物語です。

 

 

 

 

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**********

 

 

 

松谷みよこさんが絶賛しているストーリーですが、

私は全く違う感想です。

 

 

 

 

以下は幼い頃(おそらく小学低学年)

この本を読んだ時の、

私の心の状態・思考と、

今に続いていることを

まとめてみます。

 

 

 

 

 

 

この物語は、一見すると

ロマンティック・パワー・雄大さ・

切なさ・メランコリーが混在した

情感溢れるストーリーです。

 

 

 


ところが幼い私はこのストーリーに、

ただならぬ憤りを感じました。

 

 

 

 

理由は、この戦いが強大な惨劇を産んでいるからです。

鹿を始め、たくさんの動物たちが巻き込まれたはずです。

 

 

 

 

野山は赤く血に染まり、

山、森、川、湖、空・・・・。

 

 

 

 

巨大な破壊劇が繰り広げられ

まさに「戦争」です。

 

 

 



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しかも、

女神は負けた赤神を追ってゆく・・・。

 

 

 

 

 

 

幼い私は思いました。

 

 

 

「女神が最初から赤神を選んでいれば、

このような大惨事には至らなかった。

女神は、実のところ

赤神の方が好きだったと、私にはわかる。

 

 

 

けれど態度をはっきりしなかったことで、

森、湖、山岳や動物たちが巻き込まれた。

なんとういう甚大な被害だ!

 

 

 

本来ならば守り手であるはずの神々が

自分の身勝手さゆえに、

大地、空、湖を破壊している!!

 

 

 

ありえない愚かさ!!

 

 

 

 

 

 

私の怒りは万物の大切なステージである、

地上と空への損傷でした。

 

 

 

 

そして巻き込まれた

愛おしい動植物たちへの

どうしようもない哀しさでした。

 

 

 

***

 

 

 

 

この感情は、

私の中にくっきりと残っています。

 

 

 

残っているどころか、

地上の破壊行為に対する忿怒と、

大地存在に対する強い慈しみが今生を貫き、

 

 

 

魂プランになっていることを、

あらためてリアルに感じました。

 

 

 

 

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****

 

 

 

昨日、秋田を通過した際、

「鹿」がつく地名が多数ありました。

 

 

 

 

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そして、黒神がいた場所も、

「龍飛:たっぴ」と書き、龍がつきます。

 

 

 

 

民話はその名残を

地名に残しているのだと感じました。

 

 

 

 

 

 

昨日の十和田湖は美しい光に満ちていました。

まるで女神はまだここにいるかのようです。

 

 

 

 

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 《参考までに》

 

この絵本はまだ手に入ります。

画家が絵筆で描いた素晴らしい世界観を堪能してください。

新書でも1000円です。

 

 

 

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それではまた。