izumiutamaro’s blog

泉ウタマロの新しいブログです。よろしくお願い申し上げます。

「私の鼓動が聞こえるかね?」松の古木とのコンタクト

 

 

 

私がたくさんの落ち葉を踏んで、

雑木林のゆるい坂を上って行くと、

 

水源をお祭りした小さな祠(ほこら)があった。

 

 

 

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そしてそこに

大きな松の木が立っていた。

 

 

 

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「立っていた」と言うより

「待っていた」と言ったほうが正確だ。

 

 

 

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=松の古木は私と視線が会うなり言った=

 

 

「ちこう寄れ」(笑)

 

=私が近づくと=

 

「触ってもよいぞ」(笑)

 

 

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=松の幹は暖かかった=

 

 

「あなたは暖かい」私が言うと…

 

 

 

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そうだ。

我々は赤い燃えたぎる血潮を持っている。

”赤松”というのがあるくらいだ。(笑)

 

 

 

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=そして、あらためて言った=

 

 

 

ようこそ、

私の鼓動が聞こえるかね?

 

 

 

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私はこの森に立ち、幸いである。

大地の上に、自身の愛しい松ぼっくりを降らせることができる。

(街中にはコンクリートで敷き詰められた地面に

 立っている樹木があることを示している)

 

  

 

そして本来の形で立つ我々には、

果たす使命もある。

 

そなたは我々の声を聞く。

よって声を伝えると言う使命があるように。

 

 

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***

 

 

 

松の葉に風が通る時、

我々はあまりの心地よさに微笑む。

 

 

霧が満ちて通り過ぎる時、

我々は地上で生きる幸せを存分に感じる。

 

 

 

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光が射す時、

我々は強い使命と果たしている役割を誇らしく思う。

 

 

 

 

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私の鼓動が聞こえるかね?

 

 

 

我々は、水、氷、霧、雲、

そして天空の星星と共に生きている。

 

 

 

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松ぼっくり「松の命の鼓動」であり、

一粒一粒が宇宙諸力のハーモニーで育まれている。

 

 

 

星星の奏でるリズムと詩を蓄えている松ぼっくり

いわば『楽譜を運ぶ命の鼓動』だ。

 

 

 

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我々は松ぼっくりを落とし、大地をノックする。

大地は我々の脈動する鼓動と共に歌を受け取る。

 

 

 

 

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そして松ぼっくりを食べる小さなものたちは、

その星星の歌を聴き、

大地にメロディを溶かす。

 

 

 

大地はそれを歓んで感じとる。

 

 

 

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やがて溶け出した歌は、空へ昇華し、雲となり、

雨となって地球全体へと降り注ぐ。

 

 

 

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こうして我々の鼓動が運ぶ宇宙の歌は、

多層的に重なってゆく。

 

 

 

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 ***

 

 

 

松ぼっくりに星星の詩とメロディが詰まっていることを、

人間はほとんど知らない。

 

 

 

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だがもうすぐ知るだろう。

あなたがこれを書けば。

 

 

 

 

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私の声はどこまでも貫いて行く。

光のように。

 

 

 

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美しい人々よ、その言葉を聴いて。

 

 

我々と同じ感性が、

人の心にもあるのだから…。

 

 

 

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*******

 

 

松の木とのコンタクトは以上です。

お読みくださりありがとうございました。

 

 

この松の木はロイヤルホテル八ヶ岳の敷地内、

散策コースの水神様のそばにあります。

 

 

 

 

翌日同じ場所を訪れると、

大きなキツネ存在に出会えました。

 

 

私がいるにも関わらず、

この水源からの小川の水を飲んでいた。

 

邪魔しないためにキツネ存在の画像はなし。

それではまた。

 

 

 

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初めましての方へ、

泉ウタマロは作家ですが、

これはフィクションではなくドキュメンタリーです。