この物語には1~4がございます。
1 http://ameblo.jp/izumiutamaro/entry-11735799059.html
魔法が落ちた時、龍は何かに気がついたのです。
池も、森も、太陽の輝きさえも、
龍の光にひれ伏しました。
龍は頭を上げ、天を見ました。
一族の声が聞こえました。
龍は頭を上げ、天を見ました。
一族の声が聞こえました。
龍は自分を知りました!
小さな龍はふんわり浮かび、
どんどん大きくなっていきます。
解き放たれた精神に、力と光が満ちました。
+
爪は鋭く、ヒゲは朗々と長く、ウロコは艶々と白い光沢を発しています。
もはや小さな龍ではないその龍は、
森のすぐ上に浮きました。
*
ゆっくりと帯のように旋回し、
気づいた羊は大騒ぎ。
メーメーヒーヒー鳴きはじめ、
先を争い逃げまどいます。
小屋に突っ込み、木の根に突っ込み、
頭を隠してお尻を突出し、
隠れたつもりでおりました。
龍は背骨をくねらせて、体の調子を整えました。
真っ白なたてがみは春浅い風にたなびきます。
+
まなこに光が入りました。
凛とした強い意志を持ち、
爪で大気をつかみます。
ゴーゴーゴーゴー嵐のような風が来ます。
ヒューヒューヒューヒュー森があおられ泣いています。
ゴーゴーゴーゴー嵐のような風が来ます。
ヒューヒューヒューヒュー森があおられ泣いています。
◆
とうとう魔法使いが出てきました。
その驚いたことったら!
まるで目玉が落ちそうでした。
しばし呆然としておりましたが、
我に返って杖を振りつつ怒鳴ります。
「龍ーーーー!!小さくなれーーー!!
龍ーーーー!!小さくなれーーー!!」
けれども全く効きません。
龍は魔法使いには目もくれず、
さらにどんどん大きくなります。
もう空が見えないくらいになってきました。
風はゴーゴー!
森はヒューヒュー!
「龍ーーーー!!小さくなれーーー!!
龍ーーーー!!小さくなれーーー!!」
魔法使いは半狂乱で、魔法をかけます。
龍は突然動きを止めると、グッと頭を上げました。
声のない一族の歌が、龍を呼んでいたのです。
龍は やにわに大気を掴むと、
天へ向かって駆けました!
それはほとんど爆風でした。
羊は吹き飛び、木々は倒され、
魔法使いの家でさえ、
すっかりつぶれておりました。
石造りだった羊小屋だけ、なんとか残っておりました。
龍は空の青を掴みながらぐんぐん高みへ昇ります。
石造りだった羊小屋だけ、なんとか残っておりました。
龍は空の青を掴みながらぐんぐん高みへ昇ります。
秘められていた力は解き放たれ、
天が微笑みかけてきます。
なつかしい故郷を思い出し、
世界中の風が祝福の口笛を吹いています。
満ち満ちておりました。
そして一度も振り返らずに、真っ直ぐ天へと飛翔しました。
そして一度も振り返らずに、真っ直ぐ天へと飛翔しました。
+
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さぁてと、龍は帰りました。
( ̄▽+ ̄*)
でも・・・・・まだ終わりませんよ。
「魔法使いのその後」が残ってます。
次回最終回!
お楽しみに!!
(*^ー^)ノ
→【魔法使いと小さな龍6】