私は旅に出る前から、
奥入瀬(おいらせ)の森で
会うべき古木がいることを知っていた。
私は一人で渓流沿いを歩いた。
天然の渓流の美しさ。
水面の美しい景色と、輝き。
そしてその存在を見た時、
私が会いに来たのは、
この存在だと言うことがすぐにわかった。
大きなブナの古木。
あまりにも大きくて、
画面に収まりきらなかった。
どっしりとした幹は苔に覆われている。
私は彼の膝に乗ると、
曾・曾・曾祖父さんにいだかれている心地になった。
私は彼を見上げて、
深呼吸して、
互いのエネルギーを感じあった。
光が降りていた。
彼はとても優しかった。
私は地上に来た時から、
自分自身が人間存在であることに違和感があった。
なぜなら私の気持ちは、
いつも草花や木々、土、川、風、空と感じあい、
対話し、溶け合った。
彼らは私にとっての本当の友達であり家族だった。
私は人間社会にとりあえず表面順応したものの、
違和感と孤立感はずっと続いた。
私は人間のボディを持ちながら、
実際は彼らに近い者だった。
*
そして私はこの日、
「なぜ自分があえて人間存在として
地上に生まれいでているのか?」を知った。
それは・・・
人間として存在しなければ、
「創造する」という機能を携えることができないから。
草木はそれぞれ個性を持ち、
それぞれの役割とそれぞれの美しさで
地球と宇宙に貢献している。
けれどそれはあくまで一定の生き方で、
まるで違った何かを創り出す事は無い。
だが人間存在は、
その本人が望み、行動起こせば、
千差万別の生き方と創造構築が具現化する。
私はその創造力を携えるために、
あえて人間存在として地上に降りた。
私が創造・具現化力を発揮すれば、
地上人に働きかけ、
人が大地存在の神聖さを理解し、
敬意を取り戻すことができるかもしれない。
そして地上人は大地存在を慈しみ、
互いを大切にして共存する道を進めるかもしれない・・・。
私が草木や精霊的存在であったら、
三次元レベルでの行動・具現化は困難。
だからあえて人間存在として地上に来た。
*
私はブナの古木の膝に乗り、
これから私が人として地上にいる間、
大地存在と惑星地球に貢献することを
あらためて表明宣言した。
彼は私を「守る」と言ってくれた。
私はその場を立ち去り難かった。
しばらく一緒にいて、
翌日もそこで過ごした。
私たちは十分に互いのエネルギーを理解できた。
今回の旅のミッションは、
奥入瀬の森、川、季節、
枯葉、空・・・。
そして彼らの詩(うた)を聴き、
私の詩を聴いてもらうことだった。
ありがとう。
奥入瀬の森の存在たち。
ありがとう。
聖なる親族たち。
この旅のミッション、
皆様にもようやく報告ができました。
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映像も作成しました。
1:50
それではまた。