木枯しと雪がやって来て、
キリギリスが死んだ時、
アリも、モグラも、ミミズも、リスも・・・。
みんな自分の家にいた。
それぞれ十分な蓄えがあったけれど、
冬は長く、暗く、さみしく、ゆううつで、退屈だった。
アリはキリギリスが歌っていた、
歌の詩をつぶやいた。
モグラはキリギリスが奏でてくれた
メロディをくちずさんだ。
ミミズはキリギリスが話してくれた物語を
こどもたちに語って聞かせた。
リスはキリギリスの楽しげなステップを
ちょっとまねしてクルクル回った。
吹雪が長いこと続いたが、
彼らは体も心も暖かだった。
春、キリギリスの姿はなかった。
けれどみんなの心の中に、
あの歌は永遠に生きていた。
そしてどんな季節が来ても、
それはみんなを励ました。
キリギリスは本当に死んだのだろうか。。。
キリギリスは
本当に愚か者であったのだろうか。。。。