彼が地球から火星に転校してきて早くも3年がたちました。
そろそろ進学試験の時期です。
地球でも優秀な生徒だった彼は、
ここでも努力を惜しみませんでした。
「意地でもトップであの一流大学に合格してやる!」
彼は猛勉強を続けます。
「あのタコ野郎どもに負けてたまるか!」
・・・火星人たちはどうにもタコに似ておりました。
ニョロロン ニョロロン。。。
いつもタコ躍りを踊っています。
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そして火星星立センター試験の一次・二次を通過し
いよいよ発表の日となりました。
ここ火星ではすべての生徒の成績が一位から発表されます。
彼はもちろんその上位を探しました。
ところが名前がありません。
いったいどうしたことでしょう。
焦る気持ちを抑えて数百人分の順位を見ます。
そして・・・とうとう見つけました。
が!!!!
なんと最下位ではありませんか!!
彼は呆然と立ち尽くします。
納得できない想いがグラグラ湧いて噴火します。
とうとう彼は試験管に詰め寄りました。
すると大ダコ入道センター長は言いました。
「君ノ言イ分ヨクワカル。ダケドネ ヨーク考エテ。
君ハ ハイレベルノ大学ニ合格シ、
サラナル学習ノ必要アルト 感ジテイルネ。
”学バナケレバナラナイ” ト思ッテイルヨ」
その説明を彼はイライラして聞いています。
タコおやじ先生は続けます。
「火星人生徒ヲ見テゴラン。
”学バナケレバナラナイ。ボクタチ未熟者ダカラ”・・・
ソンナフウニハ誰モ感ジテイナインダ。
・・・ソノ結果。ドチラガ優秀ナ生徒カネ?
学ブ必要ノナイ者ト、学バナクテハナラナイ生徒。
ドチラニ高得点ヲ与エルベキカ・・・。
ヨーク考エテミテクレタマエ」
ニョロロン ニョロロン・・・。
タコ先生は足をからませながら去りました。
そこには呆然と立ち尽くしている、元地球人生徒が残されました。
彼は自分の概念がガラガラ崩れてゆくのを聞いています。
そして、思わず踊っていました。
ニョロロン ニョロロン ニョロロンロン!!