izumiutamaro’s blog

泉ウタマロの新しいブログです。よろしくお願い申し上げます。

クレーマー・カレイマーの功績2




海の底に住むカレイである、
クレーマー・カレイマーは憮然として家に戻ってきました。


(この物語には第1話がございます)

http://ameblo.jp/izumiutamaro/entry-11607725416.html。。。



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・・・彼は憮然として家に帰ってきました。
すると奥さんのカレイがしかめ面で言いました。



photo:01




「アンタ、いったい今何時だと思ってるんだい?
まだ7時55分じゃないの。
家には門限があるって忘れたわけじゃないだろうね!」



夫であるクレーマー・カレイマーは口もきかずに居間に入りこみました。。。。。。
小さな泡ぶくが不満げに口元からこぼれています。。。。。。



すると妻はドラ声をはり上げて続けます。



「アンタ!夜8時前には家に帰ってきちゃいけないって言っただろ!夕飯なんかないからね!腹が空いたんなら、おととい作ったひじきの煮物でも食べな、戸棚にあるよ!」



吐き捨てるような言い方でした。。。。。


小さな潮のうねりが二人の間を通ります。。。。。



photo:02


クレーマー・カレイマーは痩せていて、
しけた小カレイでしたが、妻はみごとな大カレイです。



とても力では及びません。
妻は歯の間をウニのトゲで突っつきながら、
すぐに自分一人の部屋に向かいました。



夫と顔を合わせているのが嫌でたまらなかったからです。


海藻でできた扉の入り口で、彼女は夫に背中を向けたまま、
目だけはギョロリと振り向きました。


「フン!クソおやじ。どうせまたどっかで言いがかりつけて来たんだろうよ。ったく!こっちまで評判悪くなるったらありゃーしない!」



するとクレーマー・カレイマーも負けじと怒鳴りました。


「俺はな!人様の幸せにのためにやってるんだぞ!」



妻のカレイはすかさず反論してきます。


イライラしっぽが砂をまき散らしました。
「なーにが人様の幸せだ。このヒガミ虫の、しみったれの、やっかみカレイめ!若いうちにさっさと離婚しときゃ良かった。いい加減にしないと追い出すよ!」

ピシャリ!
妻は扉の向こうに消えました。。。。。。

何も知らない小エビがその前をエッチラ、エッチラ通ります。。。。。。




photo:03



クレーマー・カレイマーはそのドアに向かって叫びました。


「いいか!誰でもな、何かトラブルが起こった時に本音っつーもんが出るんだ。俺は海の奴らの本音引出し係りさ!」


。。。。。。。。小エビは驚いて飛びのきました。。。。。。。。


彼は続けて怒鳴りました。


「この海にはな、別れたいのに別れない奴。
くっつきたいのに正直に言いだせない奴。
辞めたいのに辞められない奴。

・・・そういう奴らがごまんといるのさ。

そんな時俺が、ひともんちゃくを起こしてやると、

グチャグチャになって、もめて、結局は落ち着くところに落ち着くもんだ。俺はこの海に貢献してるんだぞ、バカヤロー。


それなのに、この俺様を死刑にしようとしやがって。
ふざけんな!わかったかバカ女!」


そこまで言うとクレーマー・カレイマーは息を切らして黙りました。



場に沈黙が流れます。。。。。。

ちぎれた海藻が恐れをなして逃げ出しました。。。。。。。


どうやら妻からの反撃はなさそうです。


クレーマー・カレイマーが安心しかけたその時・・・・。


どこからかサザエが一つ飛んできました。


「ヒュッーーーーーー。コン!」



「イテッ!」


クレーマー・カレイマーは思わず頭をさすりました。


妻からの逆襲に間違いありません。


「クソー、あいつ覚えてろ!」
クレーマー・カレイマーは痛みに耐えつつ、つぶやきました。






photo:04

海の奥深く。。。。。潮だまりと、砂と、岩の間でのできごとでした。


プク。。。。。。。。。。プクプク。。。。。。プク。。。。。。プクプク。。。




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さあ、クレーマー・カレイマーさんはどうなるのでしょう!
第3話、完結編に続きます。
(*^ー^)ノ


*完結編はこちら*