少女が扉を開けると、
そこは宇宙のど真ん中でした。
宇宙からの風が、かすかに彼女の白い木綿のワンピースを揺らします。
茶色の髪もわずかに揺れました。
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「ここはどこ?」少女は訊きました。
「ここは宇宙だよ」宙が答えます。
=巨大な宇宙の空間を、少女は驚き眺めます=
「あなたは誰?」少女が尋ねます。
「私は、あなただよ」宙が答えます。
「そこで何してるの?」と、少女。
「詩(うた)を創っているのさ」と宙。
「なんのうた?」
「この宇宙を創る、みんなの詩だよ」
「へぇ、おもしろそう」
「君も歌うんだ。一緒に」
「そうなの?」少女は驚きました。
「そうだよ。ずっと昔から、それは決まっていることなんだ」
宙は自慢げに言いました。
「あたしにも歌える?」
「もちろんさ」と、宙。
「じゃあ、僕が先に歌おう」宙が言いました。
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僕らがなぜ笑い、なぜ歌っているのか、それを知っているかい?
春はなぜ丸く、風は流れ、花は歌うのか、それを知っているかい?
宇宙は詩(うた)でできている。
僕らの一つ一つの小さな詩が、宇宙を創っているんだよ。
蝶が、人が、たんぽぽが、
みんなの詩で、宇宙ができあがっているのだから。
光はそれを捉え、編み、拡げているのさ。
いつしかそれは巨大な織物になり、全宇宙を支えてゆくんだ。
僕らがなぜ歌い、なぜ笑うのか、君に気づいて欲しいのさ。
君がなぜここにいて、宙がどうやってできているのか、君に気づいて欲しいのさ。
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「じゃあ、次は君の番!」宙が言いました。
「あたし、何も知らないの」少女は戸惑って言いました。
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後半に続きます。
(*^ー^)ノ
なんだか、奇妙なストーリーが降りて来たよ。
でも…よく考えたらいつも奇妙なストーリーじゃん!
(⌒-⌒; )