このストーリーには前半がございます。
http://s.ameblo.jp/izumiutamaro/entry-11837394492.html
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「じゃあ、次は君の番!」宙が言いました。
「あたし、何も知らないもの・・・」少女は怖気づいて言いました。
「知っているさ」と、宇宙。
「何のうた?」と少女。
「君の心の、魂のうたさ」宙は答えます。
「あたし、すっごく小さなのしか、知らないの」少女はかぼそく答えます。
「ぜひ聞きたいな!」と、宙。
「うん・・・」少女はためらいがちに息をしました。
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「あたし小さなオレンジひなげし。
あたしはユラユラ揺れながら、あなたの心に近づいた。
あたしは揺れて、笑って、くすぐったのよ。
やわらかな私が揺れると、小さな風が起こります。
小さな風は春になる。
私は春をつくっているのよ。
私が春をつくっているのよ・・・」
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「素敵な詩だ」宙がうっとり答えました。
「へたくそなのよ・・・」少女は恥ずかしげに笑います。
「この扉を開けて、いつも僕に会いに来て。
僕はとっても大きいけれど、
小さな君に入っているんだ」
「うん」少女がしっかりとうなづきました。
「忘れない」
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