izumiutamaro’s blog

泉ウタマロの新しいブログです。よろしくお願い申し上げます。

驚愕のクレクレ星人

その宇宙船は遠い星から帰還し、無事故郷へとたどりついた。
飛行士たちが船を降りると、待ち受ける者たちが口々に言った。
「どうだった?あの星」
帰還したばかりの旅人が答えた。
「いや~、予想以上だった。すごかった!」


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彼らは巨大なプール状の液体の上でくつろぎながら会見した。
メディアも取材に余念がない。

「なにしろ・・・」船長が言った。
「彼らのクレクレはすごい!」
「旨いものクレ。金クレ。時間クレ。巨乳クレ。クレクレクレクレ・・・」


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すると、記者の一人が訊いた。
「それは、なぜですか?」
「それはだ。手が二つしかない!」船長が答えると…。
「ええーーー!!」囲んでいた群衆がどよめいた。
「手が二本しかないのか?!いったいどういう宇宙人なんだ!?」

船長は続けて言った。
「そして彼らはこうも言う。早くしてクレ、明日届けてクレ、ワンクリック決済にしてクレ。もっと長生きさせてクレ。

その上彼らには足が二本しかない!!」
「ギョエーーー!!」悲鳴に近い叫びが上がった。


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しかし船長は容赦なく語った。
「そしてこうも言っていた。愛してクレ、捨てないでクレ、待っててクレ、バカにしないでクレ。

何しろ彼らにはハートは一つ、目も二つしかないっ!!!」
「ヒッーーーー!!」群衆の半分以上が失神した。

すると船長はもったいぶって言った。
「そうさ、あの青い星=クレクレ星は特殊な星だ。
だが、俺は奇跡的な場面にも出会ったぞ」
「そ…それは・・・なんですか?」記者は恐る恐る訊いた。



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「足りない部分ばかりのクレクレ星人の知恵なんだな。
なんと助け合っていたんだよ。10人集まれば腕も足も20本。
ハートも10個、目も20個だ」

「それじゃあ・・・」記者は言った。
「我々の一人分があの星の10人分ってわけですね」


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「そうだとも。100人集まれば我々の10人分と同じ計算だ」
船長は考え深く言った。
群衆はざわめきながらその驚愕の事実を受け止めた。

「では諸君」船長が立ち上がって言った。
「あの星のために祈ろうじゃないか。
不遇にもクレクレ星人と呼ばれている者たちのために。
彼らが集まり、協調し平和な生活ができるよう。アーメン!」

群衆もそれに習い、目を閉じて続けた。
「アーメン!」


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宇宙人たちの地球探索ストーリーでした。。。
あなたの感想はいかに?!
(⌒-⌒; )

それにしても・・・
時々、自分自身を異星人に感じる私でした。
アーメン!
(´_`。)