そこは伝統ある由緒正しいレストランでした。
高い天井にはクリスタルの大きなシャンデリア。
床は大理石のタイル貼り。
玄関ホールには、冬だというのに大輪のユリがふんだんに飾られ、
奥ではバイオリニストとピアニストがやわらかな音を奏でています。
外は雪が降りしきっています。暖炉は大きく、赤く、暖かでした。
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はじけるシャンパンのさわやかな香り、
グラスの触れ合う音、
細いグラスに触れる、華奢な指先がしなやかです。
煮込み料理のコクのある香り、
人々のさざめく声、
真紅のドレスの裾は、まるで情熱そのものでした。
甘いデザートの香り、
耳元でささやかれる、低いやわらかな言葉、
上品なデザインの腕時計は、時間をゆっくり刻むのでした。
デミグラスに注がれた濃いコーヒーの香り、
交わされる微笑み、
ゆるやかな夜は、ここちよくお客を包みます。
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ウエイター達は優雅な身のこなしで、無駄なく動いておりました。
シャンデリアの光は意図的に抑えられ、
広い店内は薄暗がりでムーディでした。
この洗練された場所で、
一本の大きなろうそくが、自分の目の前にあるテーブルを照らしていました。
りっぱなアンティークの燭台に灯された そのろうそくは、
毎晩、毎晩、自分のお客を見つめています。
家族、友達、恋人どうしがやってきました。
::::
::
:
けれどそのろうそくには、気になることがありました。
豪華な螺鈿 (らでん) がほどこされた ついたての向こう側にも、客席があったのです。
そしてそのテーブルには、ひときわ大きくりっぱで、赤々したろうそくが灯っていました。
こちらのろうそくからは、ついたてがあるために、
あちらの様子すべてを眺めることはできません。
わずかな隙間から揺れる光に、それが見え隠れするだけでした。
けれどもあちらのテーブルは、
いつも活気に満ちていました。
こちらのろうそくは、それが気になってしかたがありませんでした。
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::
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***************
・・・・・・・・・って、
また続編???
(T▽T;)
おそらく二話で完結します。
(*゚ー゚*)
広い店内は薄暗がりでムーディでした。
この洗練された場所で、
一本の大きなろうそくが、自分の目の前にあるテーブルを照らしていました。
りっぱなアンティークの燭台に灯された そのろうそくは、
毎晩、毎晩、自分のお客を見つめています。
家族、友達、恋人どうしがやってきました。
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けれどそのろうそくには、気になることがありました。
豪華な螺鈿 (らでん) がほどこされた ついたての向こう側にも、客席があったのです。
そしてそのテーブルには、ひときわ大きくりっぱで、赤々したろうそくが灯っていました。
こちらのろうそくからは、ついたてがあるために、
あちらの様子すべてを眺めることはできません。
わずかな隙間から揺れる光に、それが見え隠れするだけでした。
けれどもあちらのテーブルは、
いつも活気に満ちていました。
こちらのろうそくは、それが気になってしかたがありませんでした。
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・・・・・・・・・って、
また続編???
(T▽T;)
おそらく二話で完結します。
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