izumiutamaro’s blog

泉ウタマロの新しいブログです。よろしくお願い申し上げます。

物語:【カナリアの黒い子】前編

 

 

 

 

クリスマスにちなんで、

過去のウタマロ作品を再びお届けいたします。

(*゚ー゚*)

 

 

 

 

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物語: カナリアの黒い子

 

 

 

 

 

 

ある森の奥に、
鳥の教会がありました。







そしてそこには、
白いカナリアがおりました。







彼女は毎晩祈ります。
すると、ときおり夢を見ました。
夢の翌朝、卵が一つ産まれました。








ヒナはたちはすべて真っ白で、
どの子も透きとおった声で鳴きました。







大きくなるとヒナたちは、聖歌隊に入ります。
なんともそろった合唱でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ある晩白いカナリアは、祈りの後で考えました。
「私のヒナはどの子も真っ白。
違った子どもは出ないのかしら」








翌朝になるとカナリアは、

大きな卵を産みました。

 

 


森のいろんな鳥たちが、

めずらしがって見に来ます。

 

 

 

 






とうとうコノハズクの神父がやって来ました。

 

 

 

 

「こんな大きな卵はみたことがない」
 
神父は眉をひそめてつぶやきました。






それでも母のカナリアは、卵を大事に抱きました。

日が満ちた時、
殻を破って出てきたその子はなんと真黒なヒナでした。






鳥たちすべてが驚きました。
中でも神父が驚きました。
 
 
 
 
 

「不吉なヒナじゃ。
こんなもんを産みおって」
 
 
 
 
 
 
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   *





その黒い子は、大きくなっていくにつれ、
楽しげ、嬉しげ歌います。

けれどその声、その歌は、兄弟たちとは違います。






神父が再び言いました。
 
 
 
 

「これは聖なる歌ではない。
この子は異端児。
去るがよい!」







カナリアはうなだれました。 
 
 
 
 
 






それでも無邪気な黒い子は、とても熱心な歌い手でした。

そして残念なことですが、皆の前では禁止です。






悲しみに沈む母カナリアは、黒い我が子をそっと連れ、
夜の教会に忍び込みました。
 
 
 
 
 
 
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物語は後編に続きます。
(*^ー^)ノ