izumiutamaro’s blog

泉ウタマロの新しいブログです。よろしくお願い申し上げます。

愛しの森に会いに行く:八子ケ峰(やしがみね)トレッキングと素敵な秋の日

 

 

 

先日、晩秋の「八子ケ峰」:やしがみねを歩いて来ました。

 

 

 

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私は緩やかなトレッキング程度の

山歩きをしたい気持ちがありました。

歩くのが目的ではなく、

そこにある「森を感じること」が目的です。

 

 

 

登山ではなく、

あくまで散策レベルのルートが望みでした。

 

 

 

 

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いろいろリサーチしたところ、

八ヶ岳霧ヶ峰の間に、

「八子ケ峰」:やしがみね、

という見晴らしのいい尾根があることを知りました。

 

 

 

 

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しかしながら、一人ではルートに不安もあります。

友人には登山慣れしている方々もいて、

お願いすれば連れて行って貰えそうでした。

 

 

が、

あえて私はプロのガイドにお願いすることにしたのです。

 

 

 

 

今回の記事ではその理由と、

森歩きに関し、私にとって必要だと理解したこと、

そして美しい世界をお届けします。

 

 

 

 

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私が申し込みしたのは八ヶ岳付近をガイドする

YATSUトレッククラブ:上田 剛さんでした。

 

 

 

ネットを通じてアクセスし、

電話でYATSUトレッククラブの意図が

私の希望にマッチするのかを確認しました。

 

 

 

 

プライベートプランなので双方が可能な日で、

天気がベストな日・最適な時間を選びました。

 

 

 

8:30に蓼科湖に集合、

9:00前には登山口から出発。

 

 

 

 

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歩き始めは緩い坂でしたが、

途中から石づくめの急な岩場を登ります。

 

 

 


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徐々に尾根に近づくと

 

 


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美しい林が展開していました。

オーブも写っています。

 

 

 


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カラマツが紅葉し、落葉しています。

 

 

 


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赤い実に見惚れ、

 

 


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冷たい大気に包まれます。

 

 

 


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私は感動し、進むことは二の次、

そこに浸るのが一番でした。

 

 

 


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もうすぐ尾根に出そうです。

でも、この素晴らしい光を浴びなくては!

 

 

 


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地面は霜で覆われ、

 

 

 


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美しい結晶世界がありました。

 

 

 


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私の意識は木々と同調してゆき、

 

 

 


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足の裏はやわらかなカラマツ落ち葉絨毯を

心地よく踏んでいます。

 

この心地がどれほど豊な気持ちにさせるか、

伝わるでしょうか?

 

 

 


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とても気高く、愛しい彼ら。

彼らと波長を合わせ、

意識で感じ合うことが私の一番の願いでした。

 

 

 


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私の感じた世界が見えるでしょうか?

 

 

 


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私が美しいと感じている造形が、

 

 

 


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ありとあらゆるスタイルで、

 

 

 


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登場しています。

 

 

 


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つまり、私にとって森歩きのゴールは、

自分が感動して立っているこの場所なのです。

 

 

 

どこか遠くの山頂ではなく、

今まさにここがゴール。

 

 

 

もし、友人にお連れいただいたら、

その人は先を歩き、遅れをとる私を待ち、

私が追いついたらすぐに歩き始めるでしょう。

 

 

 

 

・・・でも、

それは私の願いとは違うのです。

 

 

 

 

私は感動の中に存在できる余裕と、

ボディを休憩させられるタイミングが必要です。

 

 

 

 

ゴールはまさに「今ここ」です。

山頂ではないのです。

 

 

 

上田さんは私を見守り、

追いついてもしばらくそこに立っていてくれました。

そして、私が

「もう大丈夫です」と言うと歩き始めてくれました。

 

 

 


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遠くに小さな山小屋が見えました。

 

 

 


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周囲を堪能しつつ

時々座って休みつつ、

ゆっくりゆっくり歩いて、

 

 

 


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だんだん見えて来ました。

ヒュッテアルビレオという山小屋ですが閉鎖中でした。

閉鎖は予期していたので

 

 

しばらく付近で休みました。

 

 

 


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八ヶ岳の稜線が映えています。

尾根は電波状態がいいのでFBをチェックすると・・・

 

 

 

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今まさに正面の山の頂上に

友人3名が到着した投稿が入り

思わず笑ってしまいました。

 

 

 

 

 

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私はいつものように

あてずっぽ撮影で遊びました。

 

 



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それにしても

素晴らしい晴天のお日和。

風も弱く、初心者が山歩きするには最適な秋の日でした。

 

プライベートツアーは天気を鑑みて

日取り決定できるのも利点の一つです。

 

 

 


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***

 

 

ところで背後には「蓼科山」がそびえています。

私は以前からこの名称に違和感がありました。

 

 

 

まるで名前をすり替えられてしまったような、

山のエネルギーとの不マッチを感じていたのです。

 

 

 


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すると上田さんが、

この山は「女ノ神山」:めのかみやま

とも呼ばれている、と教えてくださいました。

 

 

 

 

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その名前で私は納得できました。

その上、

この山のお膝元にあるのは女神湖。

 

 

 

道路も名前の由来をあやかって

ビーナスライン」と名付けたのでしょう。

 

 

 

 

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さらに調べてみると、

地元には伝承がありました。

 

 

 

皆様もご存知の

「富士山と八ヶ岳の背比べ」の、

続きです。

 

 

 

互いに自分が一番だと言い張り

言い争いの絶えなかった富士山と八ヶ岳

 

 

 

ほとほと手を焼いた神様が

二つの山の山頂に樋(とい)を渡し

真ん中から水を流すと・・・

 

 

 

水は富士山へと流れ、

より高いのは八ヶ岳だと判定されました。

 

 

 

大得意の八ヶ岳にブチキレた富士山は

その樋で八ヶ岳の頭ををぶっ叩き、

とうとう八ヶ岳は八つに裂けてしまった、とのこと。

 

 

 

ここまでは皆様もご存知ですよね。

 

 

 

 

・・・そして、

その八ヶ岳の妻だった女ノ神山は悲しみのあまり涙を流し、

その涙が溜まってできたのが諏訪湖、であるとの伝承。

 

 

 

 

 

 

ですからこの山は「蓼科山」ではなく、

「女ノ神山」が正統名称なのです。

 

 

 

 

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***

 

 

 

じばし休憩し、なだらかな尾根を歩くと、

一番高い場所につきました。

 

 



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静かに寄り添う木が素敵でした。

 

 

 


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ガイドである上田さんとは

以前からの知り合いや友人ではありません。

 

ですから彼と私の間には距離があり、

歩いている間に個人的な何かをおしゃべりはしません。

 

 

 

 


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私にとってそれはとても必要でした。

なぜなら、

誰かと話したり、

誰かに意識を向けていたら、

 

 

 

周囲の今ここだけでしか会えない彼らを

感じることができなくなるから。

 

 

 

 私が対話したいのは人ではなく、

彼ら、です。

 

 

それは木々であり・・・

それは空であり・・・

 

 

 


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たくさんのススキたちであり・・・

細く続く道であり・・・

山々を渡る風であり・・・

 

 

 


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彼ら全てで創り上げている、

晩秋の世界。

 

 



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私は彼らと同調し、

彼らの世界に浸りたいから歩いています。

 

 

 


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西の峰に到着。

 

 


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***

 

 

 

道は下りになり、

ルートは大きく円を描いてスタート地点へと向かいます。

 

 

 


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女ノ神山が隠れて行きます。

 

 

 


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西に傾き始めた光を受け林は金色に。

 

 

 


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大きなヤドリギがありました。

 

 

 


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ガイドの上田さんは

常に黒子的存在で付き添ってくれました。

 

 

 

私にわかったことは、

「私を連れて行ってくれる人ではなく、

私について来てくれる人」が必要だったんだと。

 

 

 

八子ケ峰:やしがみねは

登山慣れしている人にとっては散歩程度のコース、

「ガイドと一緒に行く」と言うと笑われました。

 

 

 

 

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でも私の目標は達成できましたし、

次回は一人でも来れるでしょう。

何が重要なのか認識できました。

 

 

 

ちなみにこのルートは

普通の場合、登山口からのコースタイムは

2時間55分:約3時間。

 

 

 

私の場合、9:00スタート

登山口帰着が14:30頃でした。

なんと5時間30分かかったわけです。

私の山歩きはおよそ2の時間がかかる指標になりました。

 

 

 

自分自身を認識し、

これからも適度で濃厚な森歩きをしたいと思います。

 

 

それではまた。

 

 

 

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