私たちの価値観は10年前と
かなり変わった。
ましてや親世代とは
人生観までが変わっている。
私は2004年「人生逆戻りツアー」の
元となった原稿を文庫化すべきか
悩んでいた時、
その話をチラリと両親に出してしまい
大変な騒動になった経験がある。
執筆業に手を染めるなど、彼らにとって
犯罪行為に近い感覚らしい。
強烈な猛反対と追撃の嵐だった。
母は図書館司書だったが。
幸い親とは離れて暮らす身。
その後1年以上彼らとは絶縁状態となった。
結局私は出版にこぎつけたが、
未だに彼らは知らない。
その後翻訳出版もなされたが、彼らは知らない。
それで良いのだと思う。
そして彼らは、
娘が人の道を踏み外そうとしたのを、救済したと完全に信じている。
図らずも、この本のストーリーで
「踊り子になりたい」という
娘の願いを、両親が無理矢理阻止するという部分が出てくる。
主人公クロードの過去生体験の中で。
古い価値観を変えることはできない。
けれど私たちは新しい価値観のもとで進化してゆける。
それは喜ばしいことである。
物の充足から心の充足へと、時代はシフトした。
理解得ずとも進んで行こう。
自らの魂の望みに従って。