あるところにアイオーラという名の女性がおりました。
バラ色の頬に、ふくよかな体の魅力的な女性でしたが、
なにより小鳥を飼うことにたけていました。
彼女は色とりどりの小さな鳥に歌を教えておりました。
そこへ小さな女の子がやって来て言いました。
「アイオーラおばさま。私もたくさん小鳥が欲しい。
どうすればいいのか教えてちょうだい」
アイオーラは女の子に生まれたての小鳥を一羽与えました。
そして世話のしかた、愛情のかけかた、歌の教え方まで、
時間をかけて伝授しました。
1年以上かかって小鳥が成長してくると、
アイオーラは言いました。
「さあ、その小鳥を放つのよ!できるだけ遠くまで行かせるの!」
けれど女の子は言いました。
「せっかく育てた私の小鳥。遠くになんかやりたくないわ」
するとアイオーラは答えます。
「あなたはたくさんの小鳥が欲しいと願っていたわね。
そうなるには、あなたの鳥に世界で歌ってもらうこと。
歌は人々に満ちるでしょう。歌は人々を癒すでしょう」
女の子はその意味がのみこめませんでした。
けれども小さな胸に小鳥を抱きしめ、
勇気を出してそれを空に放ちました。
アイオーラが旅立ちに向けて叫びます。
「飛べ小鳥!世界の果てまで!!」
***
それからずいぶんたちました。
女の子も美しい乙女に成長しました。
そしてある朝見たのです。
あの小鳥がたくさんの仲間を連れて、舞い戻って来ているのを!
彼女は嬉しくなって言いました。
「私の小鳥が広い世界を回ってきたわ!
幸せを、届けに行った私の小鳥。めぐりめぐって私の元に、
仲間を連れて戻って来たわ!」
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あなたの中にあり、他者に贈れる「幸福の小鳥」は
なんですか?
それが世界をめぐるなら、いつか大きな弧を描き、大きな幸せに なりかわり
あなたの所へ戻るでしょう。
きっと!(*゚ー゚)ゞ
*画像一部グラフィックステーションの切り絵カレンダー使用*