izumiutamaro’s blog

泉ウタマロの新しいブログです。よろしくお願い申し上げます。

物語:二羽のアホウ鳥

2羽のアホウ鳥が海を旅しておりました。
一羽が言います。
「おい疲れたな。。。どこかの島で休もうぜ」

photo:01



するともう一羽が答えました。
「もう疲れたの?僕はまだまだ元気だよ。
それにしても、足につけてる袋はなんだい?
ずいぶん重そうに見えるけど・・・?」

疲れたアホウはやっとやっと飛びながら答えます。
「何いってんだ。この旅は危険な旅だぞ。
嵐に向けて必要な備えが入ってるんだ」

photo:05



元気なアホウは驚いたように風を切ります。
「危険な旅?僕は冒険に満ちたワクワクの旅だと思っていたけど・・・」

それを聞いて疲れたアホウは大声で笑いました。
「お前バカか、もうじき嵐に遭遇なんだぞ!」
ところが元気なアホウはスイスイ答えます。
「うん、知ってるよ。風にもまれて飛ぶのが好きさ」


**

しばらくすると、彼らは嵐に突入しました。
二羽は風と雷と豪雨でもみくちゃになり、
小さな島に落ちました。

photo:06



嵐が去り、元気なアホウは目を開けました。
「ああ、冒険て楽しいな!」
海は白波が立っていますが、空は青く晴れてきました。

見渡すと、あのもう一羽が倒れています。
重たい袋が彼の飛行を妨げたのです。


彼はぐったりしたまま言いました。
「ほら見ろ、俺の言ったとおりだ。人生は危険と、苦難に満ちている」
「そうなの?」元気なアホウが訊きました。
「僕はそうは感じない。重たい袋をはずしたら?」

photo:03



倒れたアホウ鳥はうめきました。
「そうさお前は単純だ。同じ嵐を通っても、
お前はワクワク、俺には苦難。
未来に対する困難感が、俺の袋に詰まってる」

「でも非常袋は役立ったんでしょ」元気なアホウが訊きました。
「それがどうやらそうでもなかった。荷物は重くて キツくて くい込む・・。
いっそ袋がなかったら、俺も飛行を楽しめるのか?
俺も未来を楽しめるのか?」


photo:04



空の青さは深まり、嵐は遠くに去りました。
透明な風はアホウ鳥たちの羽をなでて流れていきました。




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全く同じ現象でも・・・
核となる思考によって人生は変わるようです。
できれば、
楽しみたいものですね。
( ̄ー ̄;