ある男が地上を去り、天国に帰りつきました。
男は不機嫌な表情で、天国の門に寄りかかります。
その門の中からは、美しい光と音楽があふれ出ておりました。
そして創造主は大きく伸びをし、ご機嫌な口調で言いました。
「今回もなかなか愉快な旅じゃったな!」
「なんだって?!」
男が怒鳴ります。
「冗談じゃねえ、さんざんな目に合わせやがって!」
創造主はガウンの埃をはたきながら言いました。
「そうかね?楽しめなかったかね?」
男はますますいきり立ちます。
「オレはな!地上生活でちゃんとした目標に向っていた。
それなのに、まるで玄関を出て、表の通りに出るまでに、
何年もさまよっていた有様さ!」
すると創造主はにこやかに答えます。
「いいではないか。その間、庭にあったバラの小道に佇む(たたずむ)
ことができたのじゃから」
「佇んでたんじゃねーよ! 迷ってたんだ!
行けると思えば袋小路・・・。
次こそ思えば袋小路・・・。
オレをなめてんな!いい加減にしろ!!」
「それでも・・・」
創造主は涼しい顔で続けます。
「あのバラの小道はすばらしかったのう・・・」
「あーそうともさ!
バラ・バラ・バラ・イバラの道さ!」
どれだけオレが悩んで苦しんだと思ってるんだ!」
男は創造主に詰め寄りました。
創造主は少し困って言いました。
「でも、そなたはあの中で、
小さな薄紅色のか~わいいバラの花を見つけたではないか。
あの時、ウルウルしてはいなかったかね?」
男はぐっと詰まってから答えました。
「あー。そういうこともあったさ。
正直言うよ。 あのバラには感激した。
だがな、ああもうまく進まねえと、オレの我慢も限界だ!」
とうとう彼は創造主の襟元をつかみ、天国の門に押しつけました。
すると創造主は弱り顔で返答しました。
「わかった・・・わかった・・・。
そなたの希望どうりにリベンジしよう。
ちょっと離してくれんかね・・・」
創造主は再び彼のポケットに入りこみ、何かブツブツ唱えました。
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気がつくと男は再び地上に立っていました。
どうやら肉体も再び生きているようです。
そして目の前にはアスファルトで舗装された、りっぱな一本道がずっと続いておりました。
道路の両側は、コンクリだけの高い高い壁でした。
かなた上空に、わずかに空が見えました。
横道も信号も、対向車線もありません。
風景を見ることも、風を感じることもありません。
迷うことも、佇む場所も、もちろんイバラの茂みもありません。
どこまでものっぺりした風景のみが続きます。
そしてどうやら道路の先に、何か小さく旗があります。
男は目を凝らしてそれを見ました。
【ゴール:天国!】
・・・そう書かれてありました。
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男はしばらく立ちすくみ、
とうとう大声で叫びました。
「あいつ――――――!
やりやがったな!!」
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キレた男と、創造主のやりとりでした。
( ̄ー ̄;
キレた男の気持ち、
「わかるわかる・・・」ウタマロでした。
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4月13日午後イベントあります。
以前も載せましたが、
とっても楽しい30秒のスライドムービーこちら↓
( ̄▽+ ̄*)
http://youtu.be/MNZGumEGhBY