「それにしても・・・」
星座を司どる王の一人が言いました。
「あの青い星のできの悪さにはいいかげん我慢の限界だ」
「そうだ、そうだ」多くの王が賛成します。
青い星・・・とはもちろん地球のことでした。
王たちは知恵と高度なテクノロジーを結集して、
地球の品位改善にとりかかります。
そして、とうとう生まれ変わった地球となったのです。
王たちは創造主の前に居並びました。
「お喜びください。かの星を我ら同様、高次の星に進化させ奉りました」
「進化って?」創造主が訊きます。
王の代表が答えます。
「地球は霊的に見て、非常に遅れた星でした。
我々の調査では、100点中20点にも満たない状況だったのです」
「それで?」創造主が再び訊きます。
「ですから、我々の力の限りをつくし、98点までに引き上げたと
申し上げているしだいであります」
「きゅ・・・・98点????」創造主の声が震えます。
「はい」王たちは全員で得意げにうなづきました。
「な・・・なんてことしてくれたのよ!」創造主から想定外の言葉が出ました。
「え?!」王たちはビビります。
創造主はキレ気味の声で続けました。
「せっかく不出来だったのに!!
よけいなことして! このおせっかい!!」
「んんんんんーーーーーーー!!!!」
創造主が力みます。
「おおおおお・おやめくださぁあああああああーーーーーーいいぃ!!」
星座王たちは青ざめておののきました。
「ヒィィィィィィィーーー!!」
しかし、時すでに遅しでした。
「バアアアアアーーン!」
宇宙はビックバンをおこしました。
創造主の怒りが宇宙を破裂させたのです。
そして、すべてが一から出直しになりました。
すべてが、始まりになったわけです。
こうして新たな周期の開始となりました。
最後につぶやきが響きます。
「あーーーすっきりしたぁぁぁ」