月食の夜、
不可思議な写真が撮れた。
欠けている月が、
落ちてくる。
*
最初は手ぶれだと思った。
だがよく見ると、右横にある星は静止したままだ。
落ちて来ているのは月だけ。
*
私にとってこれは、
「読み取るべき重要なサイン」だった。
不可解な写真が撮れる時は、
見えない領域からのシグナルで、
それに私は気づく。
奇妙な現象は象徴的なシンボルだ。
サインの意味も瞬間的に降りてくる。
今回のキャッチセンテンスは、
「強盛の陰り(かげり)と失墜(しっつい)」
読み解きは、
今まで当たり前な事として社会認知されていた巨大な事象が
実は虚構だったと明らかになり、墜落する。
・・・という意味。
*
スーパームーンの満月は煌々(こうこう)と明るい。
皆が「今夜の月の光はすごい」と感心する。
・・・だが、よく考えて欲しい。
本当のところ、
その光は月の光ではない。
あれは太陽光だ。
私は月を非難したいわけではない。
「太陽光である」という事実を忘れずに、
月を見つめている。
月は太陽の光を反射しているだけだが、
まるで自身が輝いているように見える。
大きな「望月」と呼ばれる巨大パワーは実は借り物。
人間の住む社会でも同じことがある。
真実だと周知されてきたことが、
突如、虚ろなものだったと皆が気づくことがある。
例えば、天動説がくつがえされ、
地球が太陽を周回していたのだと証明された時、
人は自分の足元が揺らぐような衝撃を受けたはずだ。
*
現代においても、
絶対的だと認識されていることが、
実は虚像だったと発覚することも起こる。
いくら栄華を極めていても、
実質的な真実がない限り、
月と同じように陰り、欠け・・・
・・・墜落する。
この写真は、
満々の光を放っているスーパームーンという虚妄(きょもう)が、
陰り・・・落下するという予言の、
象徴的なサインだった。
どんな事象が起こるかは、
個人的な小さい事象もあるだろうし、
世界的な規模も含まれるかもしれない。
「シンボルが予言するもの」
それがなんなのか。
そして現在陰り始めている
「虚妄の月」とは何なんなのか?
今後じっと見つめてゆこうと思う。
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それではまた。
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月が効果的に登場する
ウタマロショートストーリーもございます。