幼い頃から友達だった、
桜の木に会うために、
信州にやってきました。
おそらくこの桜は、
昭和の戦争と言う時代からここにあり、
私が地上にやってきた時、
すでに成熟した桜の木だった。
地上世界になじめない私を、
草花や木々たちは優しく慰めてくれた。
そして今、
この土地は新たな計画が始まっていて、
20メートル近く盛り土される道路の予定になってしまった。
このように計画が徐々に進んでいて、
立派だった枝ぶりは半分近く斬られてしまった。
そして彼がいつまでここにいてくれるのか、
わからなかった。
私は八ヶ岳に住むメーテルにこの桜の枝を届け挿し木として育んでもらうことをお願いした。
どうやらその幼い枝は冬を越したようだ。
本当に感謝しています。
それでも私はこうして、
満開の花に今年会えてとてもうれしい。
私は彼にそっと触れて、
彼が何も悲しんでいないことを感じた。
今こうして咲いている誇らしさと
満足感の中に私をいだいた。
彼らはどうしてこんなにも、
果てしない包容力を持っているのだろう。
人がどれだけ傷つけても、
ただそれを受け入れて、
そしてくじけず、
優しいままで、
いつか再びその姿を蘇らせてくれるのだ。
人はうわべだけの言葉で「愛」と言う文字を口にするけれど、
彼らは言葉で表さず、本物の愛を体現している。
今この桜の下で、
この記事を書いています。
それではまた。
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はじめましての方へ、
泉ウタマロは作家アーティストです。
よろしくお願いいたします。