私は借家の一軒家に住んでいます。
今日は私の自宅の「木」のお話です。
1ヶ月ほど前のことです。
私が旅行から帰宅すると、
玄関脇の桜が切られていました。
白い花の、春は遅めに咲く木で
大きなサクランボをプレゼントしてくれる桜でした。
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この一年以上、水道工事のために激しく根が傷つき、
木が弱りました。
そして毛虫の異常発生・落ち葉が落ちる、という理由で
隣の資材置き場から苦情があり、
大家さんの判断で、突如伐採されてしまいました。
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突然のことでとてもとてもショックでしたが、
それでも少しだけ救われる準備を、前もってしていました。
3~4年ほど前、
私はこの桜の種20粒ほどを近くの森にこっそりと蒔いていました。
(勝手に蒔くのは本当はダメです)
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・・・すると、今では幼い木になり、
森を管理する市はそれが桜であることが気に入ったのか、
わざわざ目印をつけて、
刈り取らないように配慮してくれました。
それ以来、私はいつも見守っているのです。
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一方、切られてしまった桜は、
半年前の春、最後の力をふりしぼり、
わずかな実をつけてくれました。
私は感謝を込めてサクランボを食べ、
芽吹くか否かは、
今度の春にわかるでしょう。
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ただし、大家さんの伐採計画はそれだけではありませんでした。
私の住む敷地は、
たくさんの木々に囲まれています。
更地に家が建ち庭となり、
40年も経っていないのですが、
小鳥たちが運んで来た種は人が植えた木と違い、
成長が早く、強く、大きくなったのです。
このケヤキも小鳥の落し物から成長したそうです。
幹が1メートル以上ありますが、
30年ほどの年齢。
そしてこの「一見ボウボウたる」森のような敷地の木を、
大家さんは近隣に迷惑がかかる、として
ケヤキ・桜・杉・・・一斉伐採する勢いでした。
大家さんの勢いは理屈では止めらるものではないことが
私と友人夫妻にはわかっていました。
でも、私には一つの閃きがありました。
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大きくて切られそうな木6本に
それぞれの短歌を書き・・・
幹に麻紐で結びました。
これは一つの祈りであり、
非戦的方法でした。
もちろんこんなことがどう作用するのか、
不明でした。
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数日後、大家さんは植木屋さんを連れて下見に来ました。
その時私は不在で、
1階に住む私の友達が一人で対応したのです。
大家さんのプランに、
彼女は悲しくてさめざめ泣いてしまったそうです。
結果、大家さんのハイテンションは徐々に落ち着き、
大掛かりな庭木の伐採は中止方向にシフトしました。
*
大家さんも植木屋さんも短歌など目に入らなかったと思います。
それでも彼女の心の声と、
木を守ろうとするエネルギーが効果し、
私たちの暮らしを守ってくれる木々は
ここにあり続けてくれそうです。
*
私は皆に感謝し、
家の周囲の落ち葉を掃きました。
そして、友人と一緒に、
隣接する人たちへお詫びに行きました。
資材置き場の人たちとも互いの理解ができますようにと、祈りを込めて。
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この出来事は私が2ヶ月前から心に秘めていたことを、
強く念押しされた一件でもありました。
決意していることがあったからです。
*
木はただの突っ立っている「木材」ではありません。
目に見えていない、宇宙的な意味において
草木や森は極めて貴重な役割を果たしています。
言い換えると・・・
草木や森などの「大地存在」は地球と人間を支えています。
それをどう理論的に証明するのか、
私にはまだわかりません。
ただ、それが正しいと「わかっているだけ」です。
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地球における、「大地存在」が、
惑星地球に寄与している肉眼では見えない重要機能を、
明らかにし、人類に普遍化してゆくことが、
私の後半生のテーマであり、ミッションなのです。
今回は使命を強く押された一件になりました。
今日の銀河の音は2:挑戦がテーマです。
そのチャレンジを表明する日になりました。
それではまた。
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泉ウタマロは作家、アーチストです。
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