izumiutamaro’s blog

泉ウタマロの新しいブログです。よろしくお願い申し上げます。

物語:不機嫌な男と創造主

あるところに自分の人生は何もかも失敗続きだと思っている男がいました。

「何が悪いっていうんだ。俺はずっと努力してきたぞ。
それなのに女房は出ていくし、リストラにはなるし、ローンの残っている家は欠陥住宅だし、それから・・・」

彼の言い分にはきりがありません。


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そしてとうとう天に向かって叫びました。
「バカヤロー! 神だか、仏だかしらねぇが、俺をこんな不幸にしやがって!!」

すると天から返事がありました。
「私は創造主だが、それでどうしたいのだね?」
男はちょっと驚きましたが、勢いで怒鳴り返します。
「俺の身にもなってみろってんだ!!」

そう言うと、少々の間がありました。
そして再び天が言います。
「じゃ、思い切って立場を交代してあげようか?」
男は大喜び。
入れ替わる明日を楽しみに、ホクホク気分で眠りました。


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翌日男が目覚めると、なんといつもの布団の中です。
彼は怒って叫びました。
「ていよくだましたな!バカヤロー!」

仕方なく洗面所に向かいます。
ところがです。
鏡に白ひげじいさんが写っているではありませんか!

そのじいさんが「彼自身」に言いました。
「よーく確認しなさい。入れ替わっているではないか?」
「なんだって?!」男は自分を見つめます。

じいさんは続けて言いました。

「私とあなた。あなたと私は同じもの。
だから立場を交代しても、大差はなくてあたりまえ」

男は呆然と自分の体に触り考えました。
「なんてこった。せっかく創造主だってのに、つまらん人生選んだなんて」

けれど鏡に写った自分は言います。
「そうでもないよ、なかなかイケてる
人生じゃ。今回もな!」

彼は親指をあげウインクしました。
(^O^☆♪
*いいね!*


梅雨の最中の出来事でした。

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